【ニューヨーク=佐藤璃子】米S&Pグローバルが22日発表した11月の米国購買担当者景気指数(PMI、速報値)は総合で55.3と前月比1.2ポイント上昇し、2年7カ月ぶりの高水準となった。金利が低下するとの見通しに加え、国内産業の保護やビジネス規制の緩和方針を掲げているトランプ次期米政権への期待で景況感が改善した。
調査期間は11月12〜21日。サービス業の指数は前月比2.0ポイント上昇し57.0となり、2年8カ月ぶりの高水準となった。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(55.0)を上回った。新規ビジネスの増加などが景況感の改善につながった。物価上昇圧力の緩和も報告された。
製造業は48.8と前月比0.3ポイント上昇し、4カ月ぶりの高水準だった。市場予想と一致したが、好不況の節目とされる50は引き続き下回った。生産高が減った一方、将来に対する楽観的な見方や雇用の増加が景況感を支えた。
S&Pグローバルのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「PMIの上昇は、10〜12月期に経済成長が加速していると同時にインフレ圧力が冷え込んでいることを示した」と述べた。
ウィリアムソン氏は「(トランプ次期政権による)関税引き上げなどの保護主義的な政策が米製造業の期待感を高めており、その影響がすでに雇用増加という形であらわれ始めている」との分析も示した。
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