【ワシントン=赤木俊介】事前調査では接戦が予想され、結果判明まで時間を要するとの見方もあった11月5日の米大統領選だが、米国民の多くにとってトランプ次期米大統領の返り咲きはサプライズではなかったようだ。22日発表の世論調査によると、トランプ氏の勝利に「驚かなかった」と回答した米成人の割合は68%に上った。
米ピュー・リサーチ・センターが18歳以上の米成人を対象に11月12〜17日にかけて集計した。内訳をみると、共和党員(76%)と民主党員(58%)の過半数が共に「驚きはない」と回答した。
一方、トランプ氏は再選を目指した20年選挙でバイデン米大統領に敗北している。現職で再選できなかった元職の復帰は132年ぶり、米史上2人目。歴史的にみれば異例だ。
トランプ氏が初当選した16年の選挙後の調査では、投票をした米有権者の73%が同氏の当選に「驚いた」と答えていた。トランプ氏に投票した有権者の60%、クリントン元国務長官に投票した87%が「驚いた」と回答した。当時はトランプ氏がダークホースとして見られていたという背景もある。
今回調査によるとトランプ氏は「保守派」としての印象が増した。24年調査では米成人の64%が同氏の見解を「保守的」と評価した。同氏が初当選した16年は米成人の46%が「保守的」、41%が「保守的・リベラル的な見解が混在」と評価していた。
24年調査でトランプ氏の政策や公約を「支持する」と回答した米成人は53%だった。同氏が「経済政策に関する良い判断を下すという自信はあるか」という設問に対し、「自信がある」と答えた米成人は59%にも上った。
移民政策と外交政策に関しては53%が同様に回答した。一方、米国を団結させることに関しては59%が「自信がない」と答えた。トランプ氏の人格や政策に関する評価は党派によって大きく割れた。
選挙結果を受け、民主党員の間では失望(56%)と怒り(31%)、そして共和党員の間では興奮(43%)と安堵(46%)が広がった。米成人の45%が今後1年間で政党間の関係が悪化するとみる。
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