【NQNニューヨーク=矢内純一】22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸した。前日比426ドル16セント(0.97%)高の4万4296ドル51セントで終え、11日に付けた最高値を更新した。同日発表の米経済指標が景気の底堅さを示し、景気敏感株や消費関連株などに買いが広がった。ダウ平均は週間で851ドル高と2週ぶりに上昇した。
S&Pグローバルが22日発表した11月の米国購買担当者景気指数(PMI)速報値はサービス業が57.0と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(55.0)を上回った。製造業は48.8と市場予想と一致。総合は55.3と2年7カ月ぶりの高水準となった。「ユーロ圏の景況感は落ち込んでおり、欧州株から米国株に資金を振り向ける動きが出やすい」(インタラクティブ・ブローカーズのホセ・トーレス氏)との見方があった。
トランプ次期米大統領が打ち出す減税や規制緩和が米景気を支えるとの観測が根強いことも株買いにつながった。市場では「相場の先行きに強気な見方が広がっている」(ベンセニョア・インベストメント・ストラテジーズのリック・ベンセニョア氏)との指摘があった。
ダウ平均はやや伸び悩む場面があった。ウクライナとロシアの戦闘激化に対する警戒がくすぶっている。情勢を見極めたいと週末を前に株買いの持ち高を減らす動きが出た。
ダウ平均の構成銘柄では、ボーイングやアメリカン・エキスプレスが上昇した。アナリストが強気の投資判断を示したナイキも買われた。半面、ユナイテッドヘルス・グループが下落した。アナリストが投資判断を引き下げたエヌビディアにも売りが出た。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸した。前日比31.231ポイント(0.16%)高の1万9003.651で終えた。テスラが上昇した。一方、アルファベットは下落した。ナスダック総合指数は週間で1.7%高だった。
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