【モスクワ、キーウ=共同】ロシアのプーチン大統領は22日、ウクライナに向け発射した最新式中距離弾道ミサイル「オレシニク」について「ストックを有しており、ロシアの安全保障への脅威次第では実戦の場も含め発射実験を今後も続けていく」と警告した。国防省や軍事産業の幹部との会合で述べた。
プーチン氏はオレシニクの開発に関わった関係者に謝意を示し、量産体制を確立する必要があると表明。戦略ミサイル部隊のカラカエフ司令官は、オレシニクは「欧州全土の標的の攻撃が可能となる」と報告し、大量に発射すれば核兵器の使用に匹敵すると主張した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、オレシニク攻撃を念頭に「新たなリスクから命を守る防空システム構築に向け、国防相が支援国と協議している」と訴えた。
ロシアは21日、ウクライナが米欧製の長射程兵器でロシア領を攻撃したことへの報復として、東部ドニプロにオレシニクを発射した。ウクライナメディアによると、ウクライナ国防省情報総局のスキビツキー副局長は22日、ロシアがオレシニク10発程度を保有している可能性があるとの見方を示した。
ウクライナ国防省情報総局は通信アプリに、オレシニクはロシア南部アストラハン州から約800キロ先のウクライナ東部ドニプロまで飛行し、最高速度はマッハ11(音速の11倍)を超えたと投稿。発射から着弾までは15分だった。六つの弾頭にそれぞれ六つの子爆弾を搭載していたと分析している。
スキビツキー氏は、オレシニクについて、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「ヤルス」の後継として開発中だったミサイルシステムを基盤とし、射程を中距離に調整した可能性を指摘した。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。