【NQNニューヨーク=横内理恵】4月30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比570ドル17セント(1.48%)安の3万7815ドル92セントで終えた。ダウ平均の下げ幅は今年最大だった。同日発表の雇用関連指標が賃金インフレの高まりを示し、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始時期への不透明感が強まった。引けにかけて売りが加速し、この日の安値圏で引けた。

1〜3月期の米雇用コスト指数が前期比1.2%上昇と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(1.0%)以上の上昇率となった。2023年10〜12月期(0.9%上昇)も上回り、「インフレ鈍化の停滞を示す新たなデータだった」(ウェルズ・ファーゴ証券)との声があった。

インフレ高止まりでFRBの金融引き締めが長期化し、米景気を冷やすことも警戒された。同日発表の4月の米消費者信頼感指数が97.0と市場予想(103.5)を下回り、22年7月以来の低水準となった。4月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)は37.9と市場予想(45.0)に反して低下し、22年11月以来の低さだった。

米長期金利は一時、前日比 0.08%高い(債券価格は安い)4.69%に上昇した。長期金利の上昇基調に歯止めがかからず、株式の相対的な割高感が意識された。

FRBが5月1日まで開く米連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエルFRB議長の記者会見を見極めたい参加者が多かった。持ち高調整の売りが広がり、ダウ平均など主要株価指数は午後に下げ幅を広げた。

29日夕にユーロネクスト市場での上場廃止を申請したと発表したキャタピラーが大幅安となった。アマゾン・ドット・コムやマイクロソフト、ボーイングも安い。一方、四半期決算が市場予想を上回ったスリーエムは上げた。

ダウ平均は月間で1991ドル下げ、6カ月ぶりの下落となった。月間の下げ幅は22年9月以来の大きさだった。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数やハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も月間で6カ月ぶりに下落した。

ナスダック指数は3営業日ぶりに反落した。前日比325.262ポイント(2.03%)安の1万5657.822で終えた。前日に急伸したテスラの下げが目立った。

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