佐渡島の金山の労働者を追悼する式典が11月24日、新潟県佐渡市で初めて開かれました。ただ、開催を求めていた韓国側は出席を見送り、25日に独自の追悼式を執り行っています。

■初の追悼式典も韓国側は不参加…理由は外務政務官?

24日、佐渡市で行われたのは、佐渡島の金山で働いていた朝鮮半島出身者を含む全ての労働者を追悼する式典。

これは世界文化遺産登録にあたり、韓国側が毎年開くよう求めたことに応じ、初めて開かれたものです。

【生稲晃子 外務政務官】
「(朝鮮半島出身者を含む)先人たちのご労苦に心から敬意を表すとともに、亡くなられた全ての方々に改めて深い哀悼の意を表したいと思います」

しかし、式典会場に韓国政府関係者などの姿はありませんでした。当初は代表を派遣する予定だった韓国政府ですが、式典の前日になり…

「両国が受け入れることのできる合意に至ることは難しいと判断した」こう説明し、出席を見送ったのです。

韓国側が問題視したと見られているのが、日本政府の代表として式典に出席した生稲晃子外務政務官の存在。

韓国外務省は生稲外務政務官が参院選当選後の2022年8月15日に靖国神社を参拝したと主張していました。しかし、当の生稲外務政務官は…

【生稲晃子 外務政務官】
「私は参院議員になってからは靖国には参拝していない。(Q.一度も?)はい。(Q.事実ではないということ?)はい」

林官房長官も生稲外務政務官の靖国参拝を否定…。

【林官房長官】
「生稲政務官は、参議院議員就任後に靖国神社を参拝した事実はないと承知している」

こう話した上で、生稲外務政務官の派遣に問題はなかったとの認識を示しています。

【林官房長官】
「外務省において、広報文化、アジア大洋州情勢を担当する生稲政務官の参列を決めた。問題はないと考えている」

■「残念」地元からは落胆の声も…韓国側は独自の追悼行事開催

ただ、世界文化遺産登録のための韓国側との合意事項の一つが不完全のまま終了したことに地元からは落胆の声も上がっています。

【佐渡市 渡辺竜五 市長】
「地元としては準備をしてきた中で、こういう結果になったということは大変残念というのが正直な思い」

一方、韓国紙は25日朝の一面トップで「日本が不意打ちを食らわせた」「約束を破った」などと追悼式典に批判的な記事を掲載。

式典を欠席した韓国側は25日、朝鮮半島出身の労働者がかつて暮らしていた建物の跡地で独自に追悼行事を開催しています。

【パクチョルヒ駐日大使】
「韓日両国が心を込めて努力していかなければなりません」

パクチョルヒ駐日大使は過去のつらい歴史を忘れぬよう努力する必要性を訴えた上で、遺族など約30人の出席者とともに花を手向けていました。

佐渡島の金山をめぐっては、このほかにも韓国側が朝鮮半島出身者の労働環境に関する展示物を多くの人が訪れる場所に移設するよう求めるなど、様々な問題が横たわっていて、今後どのような影響が出るのか注視していく必要があります。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。