【NQNニューヨーク=戸部実華】25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸して始まり、午前9時35分現在は前週末比462ドル57セント高の4万4759ドル08セントと、前週末付けた最高値を上回って推移している。トランプ次期米大統領が新政権の財務長官を指名し、米国の債務膨張を抑えられると期待した買いが入っている。米長期金利が低下しており、株式の相対的な割高感が薄れている面もある。ダウ平均の上げ幅は500ドルを超える場面がある。
トランプ次期米大統領は22日夜、投資家のスコット・ベッセント氏を財務長官に指名した。同氏はヘッジファンドのキー・スクエア・グループを率いており、減税など経済成長を促す政策に前向きとみられている。一方、市場は「財政赤字の拡大を抑制し関税に対しては思慮深くアプローチする」(BMOキャピタル・マーケッツ)との見方がある。
米国の次期政権が打ち出す政策が米景気を支えるとの見方があった半面、財政悪化や高インフレを招くとの懸念があった。ベッセント氏の起用で懸念要素が想定より抑えられるとの期待につながっている。25日朝の米債券市場では長期金利が前週末比0.12%低い(債券価格は高い)4.28%を付ける場面があった。
ボーイングやキャタピラー、ホーム・デポなど景気敏感株や消費関連株への買いが目立つ。アマゾン・ドット・コムやアップルなど主力ハイテク株の一角も買われている。半面、エヌビディアは売られている。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3日続伸して始まった。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は節目の6000台を回復し、11日に付けた最高値(6001)を上回って推移している。
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