アメリカ司法省の特別検察官は25日、2021年1月の連邦議会乱入事件をめぐってトランプ次期大統領が国家を欺こうとした罪などに問われた事件について、起訴の取り下げを求める書面を連邦地方裁判所に提出し、裁判所はこれを認めました。

また、大統領退任後に最高機密を含む文書を不正に自宅で保管していたとされる事件についても控訴を取り下げるよう、連邦控訴裁判所に書面で申請しました。

書面の中で、特別検察官はいずれの事件についても「訴追した判断に変わりはない」などとしながらも「憲法により大統領の在任中の訴追、起訴は禁じられている」とする従来の司法省の立場から、トランプ氏の2025年1月の就任前に起訴の取り下げが必要だと判断したと説明しています。

書面には大統領の任務の遂行は妨げられてはならないという憲法上の要請と「何人も法を超越しない」という法の支配の原則が相反するものになったとも記されていて、難しい判断だったことをにじませています。

一方で、トランプ氏が次の任期を終えた後、起訴する権利を妨げないことを裁判所に求めました。

事件の捜査を担当するスミス特別検察官は、トランプ氏の大統領就任の前に辞任する意向を示していると報じられています。

トランプ次期大統領「勝利した」

特別検察官が2つの事件で自身に対する起訴の取り下げを裁判所に申請したことについてトランプ次期大統領はSNSに投稿しました。

この中でトランプ氏は「これらの裁判は私がこれまで経験してきたほかの裁判と同じように中身のない、法に基づかないもので、決して起こされるべきではなかった。民主党が私という政治的な対立相手と闘うために1億ドルを超える納税者の資金がむだになった」と批判しています。

その上で「これは政治的なハイジャックでわが国の歴史における最悪の事態だ。それでも私は粘り強く闘い、あらゆる逆境に負けず、そして勝利した」としています。

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