ウォール街

【NQNニューヨーク=川上純平】27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反落し、15時現在は前日比132ドル24セント安の4万4728ドル07セントで推移している。前日にかけて連日で最高値を更新した後で、主力株に利益確定売りが出ている。一部の人工知能(AI)関連銘柄が急落したのも投資家心理を冷やした。半面、米経済が底堅さを保っていることからダウ平均の下値は堅い。

ダウ平均は前日までの5営業日で1600ドルほど上昇した。短期的な過熱感が意識され、主力株には売りが出やすい。28日は感謝祭の祝日で休場となり、休暇に入る市場参加者も多いことから持ち高調整の売りも出ている。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、パソコンやサーバーを手掛けるデル・テクノロジーズが一時14%ほど下落した。26日夕に発表した2024年8〜10月期決算と収益見通しが振るわず、AI向けサーバーが業績を押し上げるとの期待が後退した。ハイテク株の先行きに対して投資家が慎重姿勢を強めた面があり、半導体株なども売られた。

もっとも、米株相場の下値は堅く、ダウ平均は上昇する場面もある。27日発表の週間の米新規失業保険申請件数は21万3000件と、ダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(21万5000件)を下回った。労働市場の底堅さを示したとの受け止めが広がり、投資家心理の悪化に歯止めをかけた。一方、同日発表の10月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前月比0.2%の上昇と市場予想に一致し、材料視する動きは限られた。

ダウ平均の構成銘柄ではセールスフォースやエヌビディア、マイクロソフトといったハイテク株への売りが目立つ。IBMも安い。半面、ウォルト・ディズニーやメルク、ナイキは上昇している。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反落している。

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