アメリカのトランプ次期大統領は27日、ロシアによるウクライナ侵攻の終結に向けた担当特使を新たに設け、前のトランプ政権でペンス副大統領の補佐官を務めた退役軍人のキース・ケロッグ氏を起用すると発表しました。

トランプ氏はSNSの投稿で「彼ははじめから私の味方だった!われわれはともに力による平和を確保し、アメリカと世界を再び安全にする」としています。

ケロッグ氏は現在、保守系シンクタンク、AFPI=アメリカ第一政策研究所に所属し、4月に発表した報告書の中で、ロシアが再び攻撃することがないよう、アメリカはウクライナへの軍事支援を続けるとする一方、そのためにはウクライナがロシアとの和平交渉に参加しなければならないと主張しています。

また、プーチン大統領を交渉に応じさせるためには、ウクライナのNATO=北大西洋条約機構への加盟を長期的に見送り、代わりに安全保障を含む包括的な和平案を結ぶべきだと主張しています。

トランプ氏は、9月にウクライナのゼレンスキー大統領とニューヨークで会談するなど、交渉を通じた早期の戦闘終結に意欲を示しており、具体的にどのような方策をとるのかに関心が集まっています。

政権移行チーム“閣僚候補に脅迫や嫌がらせ相次ぐ”

アメリカのトランプ次期大統領の政権移行チームは27日、閣僚や政権高官への起用が発表されていたメンバーに対し、前日の夜から朝にかけて、脅迫や嫌がらせの行為が相次いだと発表しました。

発表によりますと爆破予告や虚偽の通報などが行われたということで、警察などが安全確保のために速やかに対応にあたったとしています。

このうち、これまでに農務長官への起用が発表されたロリンズ氏や、国連大使への起用が発表されたステファニク氏などが自身のSNSで、自宅に爆破予告などがあったと明らかにしました。

FBI=連邦捜査局は27日、声明で爆破予告などを把握しているとした上で「すべての潜在的な脅威を深刻に受け止めている」とし、不審なことがあれば直ちに通報するよう、呼びかけました。

トランプ氏の政権移行チームは脅迫行為を非難した上で「トランプ氏と政権移行チームは、わが国を団結させる仕事に集中している。危険な脅迫や暴力行為が私たちの行動を妨げることはない」と強調しました。

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