イスラエル軍の空爆で崩れ落ちた建物=27日、レバノン・ベイルート南部(住民提供・共同)

 【ベイルート共同】通りには崩れ落ちた建物と無数のがれきが散乱し、かつての街並みは一変した。イスラエルとヒズボラの停戦が発効した27日、イスラエル軍の激しい空爆にさらされたレバノン首都ベイルート南部に共同通信記者が入った。「人生の思い出が壊された」。停戦を喜ぶ祝砲が響く一方、想像を超えた破壊に涙を流す住民も。  ベイルート南部はヒズボラが影響力を持つ。多くの集合住宅が立ち並ぶ人口密集地だったが、イスラエル軍の空爆が本格化した9月下旬以降は「ゴーストタウン」(住民)に。  約2カ月間避難していた女性ザハラさん(32)は、自宅や経営する美容室の無事を確認。近所の住民とも久しぶりの再会を果たし、安堵の表情を浮かべた。ただ、学校やなじみの商店が破壊されているのを目撃。「喜びと悲しみが交じり合っている」と涙ぐんだ。  ムハンマドさん(51)は、経営する自動車整備店が入る建物が空爆を受けた。イスラエル軍は「ヒズボラ関連施設」と主張したが「高齢者や体が不自由な人も住んでいた。ヒズボラとは無関係だ」と憤った。

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