【ロンドン共同】日本、英国、イタリアの3カ国が進める次期戦闘機の共同開発にサウジアラビアが資金提供し、参画する方向で調整が進んでいることが29日、英政府関係者への取材で分かった。英国は見返りに、サウジの防衛分野の産業、技術者育成に協力することを検討している。 関係者によると、サウジは以前から参画に意欲を示してきたが、日英伊と同等の技術力を有しておらず、文化や価値観の面でも違いがあることから慎重に判断するべきだとの意見が出ていた。サウジ政府に批判的だった記者が2018年に同国当局者に殺害された事件があり、人権状況への懸念も指摘されている。 開発を巡っては、ロシアや中国などのサイバー攻撃による機密情報漏えいも課題となっており、セキュリティー対策に不安もあるサウジは日英伊と対等な形での参画にはならない見通しという。 英国は、米豪との安全保障枠組みAUKUS(オーカス)による原子力潜水艦開発、積極的なウクライナ支援、自国兵器の大規模更新などで国防費負担が大きくなり、産油国で財力があるサウジの参画に前向きだった。
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