【NQNニューヨーク=矢内純一】1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時45分現在は前日比21ドル83セント高の3万7837ドル75セントで推移している。ダウ平均は前日に大きく下げた後で、主力株の一部に反発を見込んだ買いが入っている。半面、午後公表の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたい雰囲気がある。ダウ平均は下げる場面もある。
ダウ平均の構成銘柄では、アマゾン・ドット・コムが3%超上昇する場面がある。前日に発表した24年1〜3月期決算で売上高が市場予想を上回った。利益率の高いクラウドサービスが好調だった。前日にダウ平均が570ドル安と今年最大の下げ幅を記録した。一部の銘柄には見直し買いが入っている。ジョンソン・エンド・ジョンソンやマイクロソフトなどが高い。
米債券市場では長期金利が4.6%台半ばと、前日終値から低下(債券価格は上昇)している。米財務省が1日朝に発表した四半期定例入札の詳細では、長期債の発行計画が市場の想定に沿った内容だった。短期的な国債需給への警戒が薄れ、米国債に買いが入った。金利の低下が株式相場を下支えしている面もある。
ダウ平均は下落に転じる場面がある。米連邦準備理事会(FRB)が午後にFOMCの結果を公表する。政策金利を据え置く公算が大きく、市場の関心はパウエルFRB議長の記者会見に集まっている。インフレの沈静化に時間がかかるなか、利下げに慎重な姿勢を改めて示すとの見方がある。
朝発表の4月のADP全米雇用リポートでは、非農業部門の雇用者数が前月に比べ19万2000人増えた。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(18万3000人増)を上回り、労働市場が底堅さを保っているとの受け止めにつながった。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が一時8%安となった。前日に24年1〜3月期決算と併せて発表した4〜6月期の売上高見通しが慎重との見方が広がった。エヌビディアなど他の半導体株にも売りが及び、投資家心理の重荷となっている。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も一進一退で始まった。
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