ウクライナ NATO加盟へ手続き開始を呼びかけ ロシア側は反発
日本 障害者支援のためリハビリ用の機器や福祉車両を供与
NATO=北大西洋条約機構の外相会合がベルギーの首都ブリュッセルで3日から2日間の日程で始まり、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナのシビハ外相も参加し、NATOとしてウクライナへの支援の継続を確認する方針です。これを前にウクライナ外務省は声明を発表し、ウクライナの安全を確保する手段としてNATO加盟以外のいかなる代替案も受け入れないと主張しました。そのうえで「今、ウクライナをNATOに招待することは、ロシアの脅しに対する効果的な対抗策となる」と強調し、今回の会合でウクライナの加盟に向けて正式な手続きの開始に踏み切るよう呼びかけました。これについてロシア大統領府のペスコフ報道官は、記者団に対し「われわれにとって脅威となるため、当然、受け入れられない」と述べました。一方、NATOのルッテ事務総長は記者会見で、ウクライナのNATO加盟について「一歩ずつ進んでいる。しかし、今、必要なのは、ウクライナに軍事支援を確実に届け、ロシアとの交渉を行う際のウクライナの立場を強くすることだ」と述べました。ウクライナのNATO加盟にはすべての加盟国の同意が必要で、関係者によりますと条件が整っていないとする声もあがっていることから、今回の会合で正式な手続きの開始が決まるのは難しい状況です。
ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナで、増え続ける障害者を支援するため、日本政府はリハビリ用の機器や福祉車両をキーウ州に供与しました。ウクライナではロシアによる侵攻が始まってから兵士や市民が負傷して少なくとも30万人以上に障害が残ったとされているほか、資金不足で医療機器の老朽化などが進み、障害者を取り巻く環境の悪化が大きな課題になっています。こうした中、ウクライナの障害者や高齢者を支援しようと、日本政府はJICA=国際協力機構を通じてキーウ州にある11の施設にリハビリ用の機器や福祉車両を供与することになり、3日、首都キーウで式典が行われました。このうちリハビリ用の機器は電気の刺激で筋力の回復や痛みの緩和につなげるもので負傷して運動機能が低下した人などに使われるということです。キーウ州では前線に近い地域から避難を余儀なくされた人も含め、侵攻前に比べて障害者がおよそ1万4000人増えているということで、クラフチェンコ知事は「日本政府と日本国民の大きな支援に感謝したい。障害者が置かれた環境を大きく改善できる」と謝意を示しました。また、ウクライナに駐在する中込正志大使は「傷ついた軍人や市民がリハビリをして早期に社会に復帰したり、生活していく上での困難を少しでも緩和したりするための支援をしたい」と話し、日本として引き続き取り組んでいく考えを示しました。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。