【パリ共同】フランス国民議会(下院、577議席)は4日、2025年の社会保障に関する予算案を採決なしに強制採択したバルニエ首相率いる内閣の不信任決議案を賛成多数で可決した。9月に発足したばかりの内閣は崩壊、バルニエ氏を任命したマクロン大統領も窮地に立たされた。同国の政治混迷が深まり、欧州経済にも打撃となる。  フランスで内閣不信任が決まったのは、1962年のポンピドゥー内閣以来62年ぶり。ドイツも今年11月に連立政権が崩壊しており、欧州連合(EU)のけん引役を担う両国の政治が同時に混乱する異例事態になった。  マクロン氏は混乱長期化を回避するため直ちに後任選びを進めるとみられるが、適任が見つかるかどうかは不透明だ。  社会保障を含む予算案は24年に国内総生産(GDP)比6・1%の見通しの財政赤字を25年に5・0%に減らす計画だったが、野党の左派や極右政党の国民連合(RN)が猛反発。バルニエ氏は2日、与党が少数の下院で可決の見通しが立たないとして強制採択に踏み切った。

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