バイデン米大統領(右)に肩を組まれるウクライナのゼレンスキー大統領=2023年9月、ワシントン(ロイター=共同)
【キーウ共同】ソ連崩壊後、ウクライナが国内に残った核兵器を放棄する見返りに、米英とロシアがウクライナの安全保障を約束する「ブダペスト覚書」の署名から5日で30年となった。ロシアのウクライナ侵攻で合意は完全に踏みにじられた。ウクライナは「同じ過ちを繰り返さない」として、自らの安全を守るには北大西洋条約機構(NATO)加盟しかないとの主張を強めている。 ゼレンスキー大統領は1日、共同通信との単独会見で「覚書は機能しなかった。安全を保証した国(ロシア)と全面戦争になったのだから」と指摘。「これ以上同じ過ちを繰り返すわけにはいかない。国民と領土の喪失に関わることだ」と強調した。 米英ロとウクライナの首脳は1994年12月5日、ハンガリー・ブダペストで覚書に署名。ウクライナの核兵器放棄を条件に、独立と主権の尊重を確約する内容だったが、署名国のロシアは2014年にウクライナ南部クリミア半島を併合し、22年2月に全面侵攻を開始した。 覚書に法的拘束力はなく、違反国への対抗措置も明文化されなかった。記事に『リアクション』ができます。ご利用には会員登録が必要です。
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