韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は3日夜、44年ぶりとなる非常戒厳を宣言したが、「戒厳令」はわずか6時間で解除された。
大統領が抜いた“伝家の宝刀”はなぜ、わずか6時間で決着を見たのか。
軍の部隊が窓ガラス割り国会内に突入
それは、“突然の事態”だった。3日夜、軍の部隊が集結した韓国の国会で繰り広げられた光景。それは…。
この記事の画像(67枚)銃口を向けられた女性:
(銃を)下ろしなさいよ!
銃口を向けた状態でもみ合う兵士と、それに立ち向かう女性。
政権運営が窮地に陥っていた尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が宣言した「非常戒厳」、いわゆる「戒厳令」をきっかけに軍が国会に突入した。
「入ってくるな、防げ!防げ!」
韓国の国会前では、ものすごい数の市民が集まり、「戒厳令を解除しろ」と大きな声で訴えていた。
韓国・尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が3日夜に宣言した、いわゆる「戒厳令」。
言論や集会の自由に関し、特別な措置を講ずることを可能にする非常時の権限だ。
突然の事態に、国会のゲート前では、「何してるのよー!(絶叫)」「何してるんだ!門を開けなさい!」と、門を開けようとする市民を警察が阻止していた。
こうした中、国会の敷地には軍の部隊が続々到着。そして兵士達が窓ガラスを割り、国会の内部へと次々と入っていく。
その目的は…?
野党に国会の主導権を握られ、苦しい政権運営が続いていたユン政権。戒厳令を受け、軍の力で国会をコントロールしようとしたのだろうか。
しかし、国会議員やそのスタッフらしき人物が激しく抵抗する動きが。
「顔見せろよ」「銃を下ろしなさいよ」
銃口を向けた兵士ともみ合う様子や、国会内部への侵入を防ごうとバリケードを築く。
すると、そこに軍の姿が見えてきた。
「来るぞ、来るぞ こっちに来るぞ」
強行突破を試みる軍の部隊とついに“衝突”。
「阻止しろ!来るな、やめろ!」「催涙弾を撒くな!(ゴホッ、ゴホッ!)」
辺り一帯には白煙が立ちこめ、軍の部隊は退避したようにも見えた。
この時、武装した兵士が、与野党の代表や議長を逮捕しようとする動きを確認。
しかし、強行突破は結局失敗に終わり、尹(ユン)大統領による「戒厳令」はわずか6時間で解除された。
一夜明けても市民が座り込み
宣言は解除されたものの、夜が明けても国会前の路上では、多くの市民が多くの市民が座り込みを行うなど尹大統領を批判する声を上げ、警察も多数警戒にあたっていた。
「暴力警察!暴力警察!」「(自分は)病人だぞ、触るな!」
「戒厳令」の余波はおさまっていない。
「戒厳令」の宣言は45年ぶり 韓国訪問の日本人は
韓国で「戒厳令」が宣言されたのは、1979年以来、実に45年ぶり。
前回、全斗煥(チョン・ドファン)軍事政権下で韓国全土に出された際には、一部で、軍と学生らによる銃撃戦が繰り広げられ多数の死傷者が出る事態となった。
混乱は今後どうなっていくのか。
韓国を訪れていた日本人の旅行者に話を聞くと…。
日本人観光客:
今日はショッピングです。街に出られるのかな、大丈夫かなと思いました。
この女性は、ソウルの原宿と言われる明洞(ミョンドン)には情報が少ないことに戸惑いを覚えながら買い物に出てきたという。
さらに、修学旅行中という高校生は今のところスケジュールの変更はないとしながらも。
修学旅行中の日本人高校生:
この辺は行っちゃダメだよって、巻き込まれたら大変かなって。
イット!が複数の旅行代理店に聞いたところこの先の韓国ツアーについて、いずれも現時点では大きな変更はないという。
(「イット!」 12月4日放送より)
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