【ソウル=松浦奈美】韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が一時宣言した「非常戒厳」を巡り、与党「国民の力」の韓東勲(ハン・ドンフン)代表は6日、「大統領の速やかな職務執行停止が必要」と発言し、弾劾訴追案に賛成する意向を示した。
韓国聯合ニュースが報じた。これまでは野党が進める弾劾訴追案に反対する姿勢を示していたが、転換した。与党が大統領を批判する姿勢を強めたことで、弾劾が可決される可能性がある。
韓氏は6日に国会で開いた党最高会議で「私はこの弾劾案は通過させないよう努力すると言ってきた」としたうえで、「新たに明らかになった事実を踏まえると尹錫悦大統領の即時停職は大韓民国とその国民を守るために必要だと思う」と述べたという。
国民の力は4日深夜から5日にかけて開いた議員総会で弾劾案に反対する方針を決めた。韓氏は5日「可決されないよう努力する」と表明した。
最大野党「共に民主党」は3日の非常戒厳宣言を「憲法違反」と指摘し、弾劾案の成立をめざす。可決には反対方針を決めた与党から8人以上の造反が必要となる。
4日未明に国会が非常戒厳の解除を要求する決議案を採決した際、韓氏に近い18人の与党議員が野党議員とともに賛成票を投じた。この18人の判断が弾劾案の行方を左右する。
弾劾案が可決された場合、憲法裁判所が180日以内に弾劾の是非を審査する。9人の裁判官のうち6人以上が賛成すれば弾劾が成立し、大統領は罷免される。罷免後の60日以内に大統領選が実施される。
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