ルーマニア大統領選を巡り、同国の憲法裁判所は6日、11月の第1回投票を無効とし、選挙のやり直しを決定した。親ロシア派の極右で大学教授のカリン・ジョルジェスク氏(62)と野党党首との決選投票が今月8日に実施される予定だった。
ジョルジェスク氏は動画投稿アプリTikTok(ティックトック)で選挙運動を展開し、政府はロシアが選挙戦に介入した可能性を指摘していた。
憲法裁は決定の詳しい理由を明らかにしていない。政府に新たな日程を設定するよう求めた。
治安当局は4日に機密文書を公表し、ジョルジェスク氏に関する情報がTikTokで有料広告などを通じて大々的に流れていたと明らかにした。文書はロシアの介入も示唆した。落選した候補者らが憲法裁に選挙無効を申し立てていた。
11月24日の第1回投票では泡沫候補と目されたジョルジェスク氏が首位に立ち、野党の中道右派「ルーマニア救国同盟」のラスコニ党首(52)が2位。チョラク首相は3位で敗退した。
ジョルジェスク氏は国連機関や環境省などの役職を歴任。無所属で出馬した。欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)に懐疑的で、自国第一主義を掲げて農産物やエネルギーの自給率向上を説く。ウクライナ支援には反対の立場だ。ロシアのプーチン大統領やルーマニアの過去のファシズム指導者を称賛する発言で物議を醸したこともある。
EU欧州委員会は5日、違法なコンテンツの排除を目的としたデジタルサービス法(DSA)に基づき、大統領選に関連するデータや証拠の保存をTikTokに命じ、監視を強化していた。(ブカレスト=共同)
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