シリアでは11月下旬から反政府勢力が攻勢を強め、北部の主要都市アレッポを制圧したのに続き、5日、中部の要衝ハマも制圧したと発表し、アサド政権側も事実上、撤退を認めました。
その後、反政府勢力は、ハマから40キロあまり南に位置し、首都ダマスカスの入り口にあたる主要都市ホムスに向けて、部隊を進めていると、6日、SNSで明らかにしました。
一方、シリア軍は6日、ロシア軍とともにハマの北部や南部で空爆を行ったなどとしています。
現地の情報を集めているシリア人権監視団は、反政府勢力がすでにホムス近郊の北部の複数の町を制圧していて、市内に5キロ近くまで迫る一方、政権側による空爆も続いているとしています。
ホムスは、首都ダマスカスの北およそ150キロに位置し、地中海側にもつながる中部の交通の要衝で、アサド政権側は、ホムスに200台以上の軍用車両を送るなどして守りを固めているという情報もあります。
反政府勢力を主導している過激派組織のリーダーはアメリカのCNNテレビのインタビューで目的はアサド政権の打倒だとしたうえで「目的達成のためすべての手段を使う」と主張していて、戦闘の激化が懸念されています。
アサド政権を支援するロシアの大使館は6日、シリアに残るロシア国民に対し、現地の軍事・政治状況が厳しくなっているとして、民間の航空機を利用して国外に退避するよう呼びかけました。
一方、大使館の業務は通常通り続けているとしています。
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