内戦が続く中東のシリアで、親子2代、50年以上に及んだアサド政権が崩壊。

市民から喜びの声が上がりました。

アサド大統領の父親の像は破壊され、脱いだ靴で何度もたたかれています。

アサド大統領のポスターも踏みつけられ、路上に捨てられました。

シリアの反政府勢力は8日、首都ダマスカスに進攻し、空港や放送局を占拠。

その後、国営テレビを通じて、アサド政権を崩壊させたと宣言しました。

首都ダマスカスでは、戦車の上でピースサインを見せる人など、多くの人が歓声を上げ、喜びを表現。

あちらこちらで祝砲をあげ、辺りは銃声が鳴り響きました。

アサド政権を支援してきたロシア外務省は8日、大統領が辞任し、国外に去ったとの声明を発表。

複数のロシア国営メディアは、大統領府関係者の話としてアサド大統領がモスクワに到着し、家族と共にロシアへの亡命が認められたと報じています。

アサド大統領と家族が住んでいた宮殿の敷地内には市民が殺到し、ソファに座って記念撮影する人たちの姿が見られました。

長きにわたり、独裁政治を行ってきたアサド大統領の裕福な生活を目の当たりにした市民。

家具を持ち出す人の姿もありました。

第一生命経済研究所首席エコノミスト・永濱利廣さんは、日本への影響について、「アサド政権の失脚だけを考えると(シリア情勢が)落ち着く印象があるが、反体制派っていろんな派閥があるので、その間で争いが引き起こされる可能性もゼロではない。中東情勢が悪化して原油価格が上がる。我々の生活の負担がさらに増えるリスクがある」といった懸念を示しました。

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