シリアのアサド前大統領をめぐり、米ブルームバーグ通信は11日、ロシアが「反体制派に負ける」との見通しを伝え、アサド氏が国外脱出するよう後押しをしたことがロシアへの亡命につながったと報じた。関係筋3人の情報だとしている。

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 ロシアはこれまで、アサド政権を支援してきた。しかし、11月27日に進軍を始めた反体制派は、30日までにシリア第2の都市アレッポの大部分を制圧。12月5日には第4の都市ハマも押さえ、第3の都市ホムスに迫った。ブルームバーグの取材に応じた関係筋によると、このときにロシアはアサド政権を守りきれないと判断したという。

 ブルームバーグによると、ロシア側はアサド氏に「政権軍が敗れる」との見通しを伝え、すぐに出国すれば、アサド氏と家族の安全を保障すると提示したという。その後、ロシアの情報機関員が脱出を計画し、シリア国内にあるロシアの空軍基地経由でアサド氏を出国させたという。アサド氏の乗った飛行機は追跡を避けるため、信号装置のスイッチが切られていたとしている。

 シリア国内に海軍と空軍の基地を持つロシアは、11年からのシリア内戦に介入して反体制派を空爆するなど、アサド政権の後ろ盾であり続けてきた。アサド氏とロシアのつながりについては英フィナンシャル・タイムズが2019年、同氏の親族がモスクワで少なくとも20室のマンション(約60億円相当)を購入していたとも報じている。

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