【NQNニューヨーク=川上純平】2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比322ドル37セント(0.85%)高の3万8225ドル66セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が前日に再利上げに否定的な見方を示したのが引き続き買い材料視された。米長期金利が低下したほか、決算を発表した一部の半導体株が大幅に上昇したのも投資家心理を支えた。
FRBのパウエル議長は1日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で「次の政策金利の変更が利上げになる可能性は低い」との考えを示した。市場の一部では再利上げ観測があったため、投資家の間で買い安心感が広がった。
市場では、パウエル議長の会見が想定ほどタカ派的ではなかったとの声が多い。2日の米債券市場で長期金利は4.5%台後半と前日終値(4.63%)を下回っている。金利と比べた株式の相対的な割高感が薄れたのも株買いを誘った。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、半導体のクアルコムが大幅高となった。前日夕発表の2024年1〜3月期決算が市場予想を上回る内容だった。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)といった半導体株も上昇し、米株相場を押し上げた。
もっとも、ダウ平均は伸び悩む場面があった。2日発表の1〜3月期の米労働生産性(速報値)では、企業の賃金負担を示す単位労働コストが前期比年率で4.7%上昇した。伸びはダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(4.0%)を上回った。ウェルズ・ファーゴのサラ・ハウス氏は「インフレ率を(FRBの物価目標である)2%に向かって持続的に低下させていくことを困難にさせる」との見方があった。
ダウ平均の構成銘柄では、ボーイングやアマゾン・ドット・コム、アップルの上昇が目立った。ナイキとゴールドマン・サックスも高かった。半面、スリーエムやハネウェル・インターナショナル、ジョンソン・エンド・ジョンソンは下落した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発した。前日比235.477ポイント(1.50%)高の1万5840.958で終えた。アルファベットやネットフリックスが上昇した。
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