中国政府は、12月13日を「南京事件」の国家追悼日と定めていて、事件から87年となる13日、江蘇省南京で、中国共産党の指導部のメンバーも参加して追悼式典が行われました。
中国では、こうした過去の日中間の歴史と関係する日には、反日感情が高まる可能性があるとされています。
ことし9月に、深※センで日本人学校に通う男子児童が登校中に刃物で襲われて死亡する事件が起きました。
事件との関連は明らかになっていませんが、深センの事件が起きたのは、満州事変の発端となった柳条湖事件が起きた日でした。
また、ことし6月には、江蘇省蘇州で日本人学校のスクールバスが襲われる事件が起き、案内役の中国人女性が死亡し、日本人の親子がけがをしています。
相次ぐ事件を受けて、中国本土や香港にある日本人学校では、13日は休校やオンライン授業の措置をとっています。
また、北京にある日本大使館は、中国に住む日本人に対して外出の際などに注意するよう呼びかけています。
一連の事件について、中国当局から詳しい動機などの説明がない中で、現地では治安への懸念が払拭(ふっしょく)されない状況が続いています。
※「セン」は、土へんに「川」
林官房長官 “特に注意する必要 領事メールで注意喚起”
林官房長官は、閣議のあとの記者会見で「中国での最近の治安情勢を踏まえ、中国側に対し、日本人の安心・安全の確保をあらゆるレベルで求めている。過去の日中間の歴史に関わる日には、特に注意する必要があるため、今回、領事メールを通じて注意喚起を行った。中国当局と連携しながら在留邦人の安全確保に万全を期していく」と述べました。
※当初の表現を一部修正しました。
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