シリアでは今月8日、独裁的なアサド政権が崩壊し、反政府勢力を主導した「シリア解放機構」のもとで暫定政権が発足しました。
アサド政権の後ろ盾となってきたロシアはシリアの地中海沿岸の海軍基地と北西部の空軍基地に軍を駐留させていて、インターファクス通信などは現地のロシア大使館の代表が「シリア解放機構」の政治部門と接触したなどと伝えました。
それによりますと、ロシア外務省で中東問題を担当するボグダノフ外務次官は「ロシアの基地はシリアに残る。現時点で、それ以外の決定はなされていない」と述べ、軍の駐留の継続に期待を示したということです。
一方、トルコのメディアは12日、情報機関のトップがシリアの首都ダマスカスを訪問したと伝えていて、反政府勢力を支援してきたトルコとしては影響力の拡大を図りたい思惑があるとみられます。
トルコにはアメリカのブリンケン国務長官が12日から訪問し、エルドアン大統領やフィダン外相と相次いで会談してシリアの安定や政権移行の支援について意見を交わしたということで、シリアへの関与をめぐる各国の動きが活発になっています。
ロシア高官 “ロシア軍の駐留はシリア側の要請 駐留継続に期待”
ロシア外務省で中東問題を担当するボグダノフ外務次官は12日、支援してきたアサド政権が崩壊したシリアについて、現地のロシア大使館の代表が暫定政権を主導する「シリア解放機構」の政治部門と接触していることを明らかにしました。
これはロシアのインターファクス通信などが伝えたもので、ボグダノフ次官は「接触は建設的な形で進められている」と述べました。
そのうえで「ロシアの基地は、シリアに残る。現時点で、それ以外の決定はなされていない」と述べ、ロシア軍の駐留はシリア側の要請で行われてきたと強調し、駐留の継続に期待を示しました。
ロシアにとってシリアは旧ソビエト時代からの友好国でシリアの地中海沿岸のタルトゥース海軍基地と、北西部のフメイミム空軍基地にロシア軍が駐留しています。
また、アメリカのメディア、ブルームバーグはアサド大統領のロシアへの亡命について関係者の話として、ロシア側がアサド大統領に反政府勢力との戦いに敗れるだろうとの見通しを示し、即時に国外に出るなら大統領と家族の安全を保証すると申し出たとしています。
そのうえでロシアの情報機関の複数の工作員がアサド大統領をシリア国内にある空軍基地を経由して、脱出させたとしています。
飛行機は追跡を避けるために信号装置のスイッチが切られていたということです。
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