シリアでは、反政府勢力の攻勢で今月8日に独裁的なアサド政権が崩壊し、反政府勢力を率いたシリア解放機構のもとで暫定政権が発足しました。
15日で旧政権の崩壊から1週間となり、各地で学校が再開されるなど人々がもとの生活に戻る様子がみられました。
国際社会によるシリアへの関与も加速していて、15日、国連でシリア問題を担当するペデルセン特使が首都ダマスカスを訪問しました。
ペデルセン特使は、記者団の取材に対し「すべてのシリア人が参加する政治プロセスを進めなければならない。プロセスはシリア人自身が主導する必要がある」と述べ、少数民族などを含むあらゆる勢力が参加する形で新しい国づくりを進めるよう暫定政権側に求める考えを示しました。
暫定政権を率いるシリア解放機構について国連やアメリカなどはテロ組織に指定していますが、ペデルセン特使は、旧政権に対して欧米側が科している経済制裁については「早期に解除され、シリアの再建に向けて力を結集できることを期待する」と述べ、解除する必要があるという認識を示しました。
旧政権の支配下にあったアレッポ 学校再開
旧政権の支配下にあった北部の主要都市アレッポでは、休校となっていた学校が再開されました。
また、市内の高校でも久しぶりに登校した生徒たちが友人との再会を喜び合っていました。
反政府勢力が使ってきた3つの星が描かれた旗を身につけて登校した1年生で15歳のアイシャさんは「医師になるのが夢で、しっかり勉強して国のために尽くしたい」と話していました。
アイシャさんの父親のアフマドさんは「娘は子どもの頃、ずっと戦争の中で過ごしてきた。きょう、子どもたちが学校に行く姿を見て本当にうれしかった」と涙を浮かべながら話していました。
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