ゴラン高原のイスラエル軍(15日)=ロイター

【エルサレム=共同】イスラエル政府は15日、シリアから奪った占領地ゴラン高原の人口を倍増させる計画を承認した。首相府は声明で「ゴラン高原の強化はイスラエルの国家を強くすることだ」と主張。イスラエル軍はアサド政権崩壊の混乱に乗じ、シリアへ空爆や地上作戦を実施している。

イスラエルメディアによると、現在の人口は約5万人で、ユダヤ人とイスラム教ドルーズ派がほぼ半数ずつを占める。計画では、学生寮の建設や新たな住民の受け入れなどに4千万シェケル(約17億円)を投じる。

ネタニヤフ氏は15日に発表した動画声明で、アサド旧政権の軍事能力を破壊したと強調。「シリアとの対立には興味がない」とも述べた。イスラエルは「兵器が暫定政権側に渡るのを防ぐ一時的な措置」としてシリアへの攻撃を続けている。

イスラエルは、1967年の第3次中東戦争でゴラン高原の大半を占領し、81年に自国への併合を宣言した。トランプ前米大統領は2019年にイスラエルの主権を承認したが、国際的には承認されていない。

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