【イスタンブール=時事】シリアで暫定政府を主導する旧反体制派「シャーム解放機構」(HTS、旧ヌスラ戦線)の指導者ジャウラニ氏は15日、シリアを訪れた国連のペデルセン特使(シリア和平担当)と会談した。旧反体制派によると、ジャウラニ氏はシリア和平に関する国連安保理決議を見直す必要性のほか、帰還するシリア難民への支援などを訴えた。
アサド政権崩壊後、ジャウラニ氏が国連高官と会うのは初めて。ジャケット姿で会談に臨む同氏の写真もSNSで公開された。
2015年に採択されたシリア和平プロセスに関する安保理決議では、ヌスラ戦線を「テロリスト集団」と明記している。声明によれば、ジャウラニ氏は「政治的な変化を考慮し、新たな現実に合わせて決議を更新する必要がある」と主張。暫定政府への国際的な承認を増やすため、テロ組織指定の見直しを要請したとみられる。
ジャウラニ氏はさらに、「難民帰還での安全な環境の提供や支援」を求めた。国連によれば、シリア内戦では約600万人超が国外へ避難。今後は大勢の難民受け入れも課題となっている。
AFP通信によると、ペデルセン氏はシリア到着に際し「変化が大きな希望を生み出している」と強調。内戦や長期独裁体制で打撃を受けたシリア経済の再建のため「制裁が早期に終わるよう期待している」と語った。
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