シリアのアサド前大統領(ゲッティ=共同)

 【エルサレム共同】長期政権が旧反体制派の攻勢で崩壊したシリアで、アサド前大統領が亡命のためロシアに出国する前の様子を、ロイター通信が16日までに報じた。アサド氏は亡命計画を側近や親族にも知らせず、政権軍幹部らには後ろ盾のロシアから「軍事支援が来る」と、うそをついていた。  ロイターは関係者14人の証言として伝えた。報道によると、アサド氏は亡命前日の7日、軍幹部らとの会合で、ロシアから支援が来ると明言して地上部隊に持ちこたえるよう求めた。執務後、大統領府幹部に帰宅すると伝えたが、実際には空港に向かった。  アサド氏は首都ダマスカスからシリア北西部のロシア軍空軍基地を経由して8日に亡命した。妻子はその前にモスクワに到着していた。亡命を知らなかった弟の軍司令官マヘル氏はイラク経由でロシア入り。いとこ2人は陸路でレバノンに逃げようとしたが、旧反体制派に襲われ、1人が射殺されたとの情報がある。  アサド氏は、旧反体制派が攻勢を始めた直後の11月28日、モスクワを訪れ、ロシアに軍事介入を要請していた。

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