ミャンマー・ヤンゴンの中心部(資料写真)
【バンコク=藤川大樹】ミャンマー国軍の統制下にある労働省は、国外での就労を希望する男性の出国を一時的に禁じた。国軍が2月に徴兵制の実施を発表して以来、国外脱出する若者が相次いでおり、人材流出を防ぐ狙いとみられる。 現地からの情報によると、独立系メディアは2日、労働省のニュンウィン事務次官が「5月1日からは、(登録された)女性だけを移民労働者として送ることを許可する。男性は当面、国外で就労できない」などと述べた、と報じた。 労働省はその後、公式に「国外就労のための出国は一時的に停止している」と回答。「(国を取り巻く)状況が変わり、出国者を精査する必要がある」と説明した。 ミャンマー各地で抵抗勢力との戦闘が激化する中、国軍は2月10日、18~35歳の男性と18~27歳の女性を主な対象とする徴兵制の実施を発表。多くの若者たちが徴兵を避けるため、隣国タイなど国外へ脱出したり、国軍と戦う民主派の武装組織「国民防衛隊(PDF)」に加わっている。 最大都市ヤンゴンの旅券事務所には出国を希望する若者が殺到。正規の手続きでパスポートを取得すると数カ月かかるため係官に賄賂を送る人もいるという。 パスポートの発給を待っていた男性(26)は取材に「徴兵を逃れ、国外で働き、家族を養うという夢は砕け散った」と語った。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。