【ロンドン=大西康平】英イングランド銀行(BOE)は19日、政策金利を発表する。インフレ鈍化の進捗を見極めるために、2会合ぶりに据え置く見通しだ。今後の利下げペースについて、声明文やベイリー総裁のコメントによる見解が注目される。
18日まで開いた金融政策委員会の決定内容を発表する。11月には政策金利を5%から4.75%に引き下げた。
英国のインフレ懸念は根強い。11月の消費者物価指数の前年同月比の上昇率は2.6%と、BOEが物価目標とする2%を2カ月連続で上回った。サービス価格が5%と高止まりする。
企業の値上げと賃上げの連鎖が続くためだ。労働需給の逼迫を背景に、10月の賃金上昇率は5.2%と、前月比の伸び率が1年2カ月ぶりに拡大した。
英労働党が政権交代後に初めて示した予算案による歳出拡大で、インフレが加速するとの見方も強い。BOEが11月に公表した四半期ごとの金融政策報告書では、2025年の消費者物価指数の上昇率の見通しを2.25%から2.75%に引き上げた。
今後の利下げのペースが焦点だ。ロンドン証券取引所を運営する英LSEGによると、18日時点の市場予想では25年6月末までの利下げ回数は1回にとどまるのがメインシナリオだ。
ベイリー総裁が発表するコメントや声明文の文言変更の有無がポイントとなる。
これまで声明文では金融政策の先行きについて「根強いインフレのリスクを注視し続けて、各会合で金融引き締めの適切な度合いを決める」や「十分に長い時間引き締めを維持し続ける必要がある」と言及していた。
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