この国際展示会は、ベトナム国防省が2022年に初めて開いたもので、今回、2年ぶりの開催となります。

首都ハノイの空港に設けられた会場には、ロシアをはじめ、アメリカや日本、中国など、およそ30か国から参加した200以上の企業や団体が兵器や防衛装備品を展示しています。

このうちアメリカのブースでは、C130輸送機などの軍用機が展示され、アメリカのマーク・ナッパー駐ベトナム大使は「ベトナムとの友好をさらに深め、協力関係を広げていきたい」と述べて、連携強化を呼びかけました。

社会主義国のベトナムは、冷戦時代、旧ソビエトとの結びつきが強く、これまで兵器の調達をロシアに依存してきました。

しかし、ロシアによるウクライナ侵攻が長期化する中、ベトナムでは、ロシア製の兵器が安定的に供給されるか懸念する声もあり、今回の展示会での商談などを通して、調達先の多様化を進めるかどうか関心を集めています。

専門家 “中国が初出展もベトナムが購入する可能性考えられず”

シンガポールのシンクタンク「ISEAS=ユソフ・イシャク研究所」の客員研究員で、ベトナムの外交政策などに詳しいグエン・カック・ザン氏は、NHKのインタビューに対し、「ロシアによるウクライナ侵攻によって、ベトナムの武器供給の80%を占めてきたロシア製兵器への依存が崩れたことは明らかだ。今回の展示会は、ベトナムが防衛戦略において兵器の調達先の多様化をはじめ、将来的な課題や不確実性を回避するための一つの手段となっている」と述べました。

一方で、今回、南シナ海で領有権を争う中国が初めて出展したことについて、「ベトナムが中国の武器を購入するというシナリオの可能性は考えられない」としたうえで、「ベトナムは、中国とアメリカとのバランスをとりながら、非常に重要であるリスクヘッジ戦略を継続していくだろう」と述べ、ベトナムは兵器の調達などをめぐって、各国との協力関係を慎重に進めていくだろうという見方を示しました。

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