【ニューヨーク=佐藤璃子】米S&Pグローバルがこのほど発表した12月の米国購買担当者景気指数(PMI、速報値)は総合で56.6と前月比1.7ポイント上昇し、2年9カ月ぶりの高水準となった。引き続き、国内産業の保護やビジネス規制の緩和方針を掲げているトランプ次期米政権への期待などを背景に、サービス業で業況が改善した。
調査期間は12月5〜13日。サービス業の指数は前月比2.4ポイント上昇し58.5となり、3年2カ月ぶりの高水準となった。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(55.3)を上回った。新規ビジネスや雇用の増加などが景況感の改善につながった。
製造業は48.3と前月比1.4ポイント低下し、3カ月ぶりの低水準だった。市場予想(49.6)も下回り、好不況の節目とされる50を引き続き下回った。生産や新規受注が減ったことが重荷となった。
S&Pグローバルのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「製造業セクターでは大統領選後にみられた楽観的なムードが抑制されている面がある。関税や輸入コストの増加によるインフレを懸念する声がある」と述べた。
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