【マニラ=共同】フィリピン沿岸警備隊のタリエラ報道官は13日に記者会見し、南シナ海の自国の排他的経済水域(EEZ)にあるサビナ礁に中国船が集まり、破砕されたサンゴを投棄して小規模な埋め立てを行ったと非難、巡視船を長期駐留させて監視し断固阻止すると強調した。中国による軍事基地化を懸念しているとも述べた。
中国外務省の汪文斌副報道局長は13日の記者会見で「根拠のないでっちあげだ」と主張し「無責任な言論」をやめるよう求めた。
サビナ礁はフィリピンのパラワン島から約140キロ沖に位置し、フィリピン軍拠点があるアユンギン礁(英語名セカンド・トーマス礁)の手前にある。同拠点に交代兵員と物資を届けるフィリピン補給船団に対し、中国側は高圧の放水砲などで妨害を続け、緊張が高まっている。
タリエラ氏は「中国がサビナ礁を埋め立てて軍基地に変えた場合、アユンギン礁への補給任務が非常に困難になる」と述べた。
また、中国側がサビナ礁に調査船3隻のほか、軍艦や海警局、海上民兵の船など最多で計44隻を集結させたと指摘。計測機器やカメラを持った中国人科学者が海に潜り、海底サンプルも採取していたとし、国際法違反だと批判した。破砕サンゴが海底に積み上がる映像も公開し、環境破壊だと訴えた。
沿岸警備隊は昨年9月、中国の海上民兵の船が集まっていたサビナ礁などでサンゴ礁が破壊されているのを確認したと発表していた。タリエラ氏は、当時は同礁で破砕サンゴの投棄は見られなかったと説明した。
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