パレスチナ自治区ガザ市へのイスラエル軍の空爆で上がった黒煙(13日)=ゲッティ共同

【エルサレム=共同】パレスチナ自治区ガザで続くイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘で、国連は13日、ガザ最南部ラファで職員が移動中に攻撃を受けて1人が死亡、1人が負傷したと発表した。死亡したのはパレスチナ人ではないという。グテレス事務総長は調査を要求し、人道的戦闘休止と人質解放を改めて求めた。

パレスチナ人ではない国連職員が死亡するのは昨年10月の戦闘開始後初めて。ラファではイスラエル軍が限定的地上作戦を展開しており、民間人被害の拡大に懸念が強まっている。

国連によると、死傷した2人は「UN」と書かれた車両で移動中に攻撃を受けた。ヨルダン外務省は、負傷したのは自国民だとした上で「責任はイスラエルにある」と非難した。

イスラエルのネタニヤフ首相は13日の式典で、戦闘を続ける考えを強調し「ハマス壊滅までやめない。最後の1人にも奇襲攻撃の復讐を果たす」と述べた。ハマス幹部は「ネタニヤフは幻想の中に生きており、目標を達成できない」との声明を出した。

6日に限定的地上作戦が始まってから、ガザとエジプトをつなぐラファ検問所が閉鎖し、支援物資搬入が滞っている。国連児童基金(ユニセフ)の報道官は米メディアに、病院には治療する手段が残されていないと強調。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、15万人の妊婦が危機的な衛生環境に置かれていると明らかにした。

軍はガザ北部でも攻撃を強化。パレスチナ通信によると、北部ベイトラヒヤやジャバリヤで13日も爆撃が相次いだ。ガザ保健当局によると、戦闘開始後のガザ側死者は3万5091人に上る。

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