【NQNニューヨーク=稲場三奈】14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比126ドル60セント高の3万9558ドル11セント(速報値)で終えた。朝発表の4月の米卸売物価指数(PPI)が市場予想を上回ったものの、同時に3月分が下方修正され、物価の上振れへの過度な警戒が薄れた。午後に上げ幅を広げた。
4月のPPIは前月比で0.5%上昇と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.3%上昇)を上回った。一方、3月分は0.2%上昇から0.1%下落に下方修正された。「4月分はネガティブなサプライズだったが、3月分が相殺した」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモシー・グリスキー氏)との受け止めがあった。
米債券市場で長期金利が徐々に低下すると、マイクロソフトやアップルといったハイテク株を中心に買いが入った。ダウ平均の構成銘柄ではないが、ゲーム専門店のゲームストップも連日で急騰した。2021年に同社株の急騰劇の火付け役となった人物がX(旧ツイッター)への投稿を再開し、個人投資家による買いが続いているとみられる。ミーム(はやり)株と呼ばれる他の銘柄にも買いが波及した。
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は14日に金融イベントの討議に参加し、「この(インフレ退治の)道が簡単なモノになるとは思っていなかったが、誰もが予想していたよりもインフレはしつこかった」と述べた。現在の政策金利水準を維持する姿勢をみせたことは株式相場の重荷となった面があった。
その他のダウ平均の個別銘柄では、インテルやボーイング、アメリカン・エキスプレスが買われた。一方、ウォルマートやビザは下げた。朝方に四半期決算を発表したホーム・デポも売られた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸。前日比122.942ポイント高の1万6511.180(速報値)と、4月11日に付けた最高値を更新した。
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