仏領のニューカレドニアで暴動が深刻化している(写真はヌメアで業務に当たる憲兵、2021年)=AP

【パリ=北松円香】フランス領のニューカレドニアで15日に暴動が深刻化し、憲兵1人を含む4人が死亡した。現地に長期滞在するフランス人に地方参政権を与える憲法改革に対して独立派が強く反発し、暴動につながった。仏政府はフランス時間の同日夜、緊急事態宣言を発令した。

仏議会はニューカレドニアに10年以上暮らすフランス人に地方選挙への参政権を与える憲法改正の審議を進めており、14日には国民議会(下院)が上院に続いて可決していた。

ニューカレドニアの独立派は憲法改正で独立が遠のくと反発し、抗議活動を展開していた。自動車や店舗が破壊され、安全確保のために学校が閉鎖されるなど混乱が深まっている。

仏大統領府は15日、「どのような暴力も容認できない」とのコメントを発表。マクロン大統領が緊急事態宣言の発令を指示した。発令により、当局はデモの禁止や集会所の閉鎖といった措置を取りやすくなる。

軍隊が出動し空港や港湾の治安を維持する。動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」の利用も禁止された。仏メディアによると緊急事態宣言はアルジェリア戦争中の1955年制定の関連法に基づき、2015年のパリ同時多発テロ時も発令された。

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