3月のダイヤ改定で快速を大幅に減便するなどしたJR京葉線について、JR東日本千葉支社の土沢壇支社長は30日の定例会見で、9月にダイヤを改正して一部の各駅停車を快速に変更することを発表した。

 発表によると、快速に変更するのは朝の通勤時間帯の午前6時台と、夜の退勤時間帯の午後8時台に内房線・外房線と東京駅を結ぶ各駅停車4本(上下線各2本ずつ)。これにより、平日朝の上りの通勤時間帯の君津(千葉県君津市)―東京、蘇我(千葉市)―東京の各両駅間は、現行の各駅停車と比べていずれも10分短縮される。平日朝の上りの通勤時間帯の上総一ノ宮(千葉県一宮町)―東京の両駅間は15分、蘇我―東京の両駅間は5分それぞれ短縮となる。

 また、都心と海浜幕張・蘇我方面間の所要時間短縮を目的に、一部の各駅停車を快速に変更し、快速の運転時間帯を拡大する。これにより、快速の平日の上下線は現行の26本から33本に、土日休日の上下線は49本から61本に拡充される。

 ダイヤ改定で廃止となった蘇我(千葉市)と新木場(東京都江東区)の両駅をノンストップで結ぶ通勤快速は復活しない。各駅停車から快速に変更した4本の所要時間はいずれも3月のダイヤ改正前の通勤快速と比べると、停車駅が増えることから4~7分増えるものの、この日の会見で土沢支社長は「ほぼ遜色ない速達性を実現できた」と話した。

 京葉線をめぐっては、ラッシュ時間帯の混雑の平準化などを理由に、3月16日のダイヤ改定で、早朝の上り2本を除く通勤時間帯の快速を各駅停車に変更し、通勤快速(上下線合わせて平日4本)を廃止した。従来の平日の快速と通勤快速の上下線計59本が26本に大幅減少となった。

 一方、ダイヤ改定に対し、千葉市をはじめ一部の沿線自治体などは「利便性が下がる」などと猛反発。ダイヤ改定の撤回などを求め、改定公表後に同社が見直しをする異例の事態になった。土沢支社長は「影響の結果について考えが及ばない点があった」とした上で、「利用状況に応じて沿線価値向上に柔軟に対応していきたい」としていた。

 改定後、千葉市は利用者への影響を調べるアンケートを実施。8割が「悪い影響がある」と回答したことなどを公表した。(竹中美貴)

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