国内屈指の梅産地・和歌山県みなべ町で、農業団体の町農業士会が今月、梅の木などを食い荒らす外来種「クビアカツヤカミキリ」の被害を受けた樹木を見つけると1万円の懸賞金を出す取り組みを始めた。町も被害樹木の伐採・伐根で3万円の支援金を交付する制度を開始。県はすでに伐採・伐根で3万円を補助する制度を設けており、これらを合わせると1本あたり7万円を受け取れるという。
県によると、クビアカツヤカミキリはカミキリムシの一種で、幼虫が梅や桃、スモモなどの木を食い荒らし、木が枯れることがある。国内では近年、大阪府や奈良県、三重県、東京都などで確認され、和歌山県では平成29年に初めてかつらぎ町で見つかり、同町や橋本市、紀の川市など県北部で被害が相次いでいる。
農業士は知事が認定する地域農業のリーダーで、みなべ町農業士会は同町の農業士たちで組織している。
事務局を務める町産業課によると、クビアカツヤカミキリの幼虫が梅などの木を食べると、木に木くずやふんが集まった「フラス」と呼ばれる部分ができ、これが目印になる。会は今月1日から、連絡により被害が確認できれば連絡した人に1万円の懸賞金を出す取り組みを開始(1人1回限り)。町も同日、被害樹木1本の伐採で2万円、伐採とともに切り株や根も除去する伐根を行うと3万円の支援金を交付する制度を始めた。今年度一般会計当初予算に162万円を計上している。
和歌山県も令和2年度から1本の伐採で2万円、伐採と伐根で3万円を支給する補助金を運用している。
会は懸賞金スタートに合わせ7500部のチラシを作製し、町が町内に全戸配布した。町内の梅農家は約1200戸あり、会の月向雅彦会長は「早期に発見して早期に駆除し、定着させないことが大事」、同課の担当者は「懸賞金や支援金で注意を向けてもらえるようになる」と話している。
会は、被害樹木を見つければJA紀州みなべ営農センター(0739・72・1174)に連絡して、クビアカツヤカミキリの幼虫による被害かどうか確認してほしいとしている。問い合わせは同課(0739・72・1337)。(張英壽)
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