結婚式で笑顔をみせるハロルド・テレンスさん(左)とジーン・スウェーリンさん=フランス北西部カランタンレマレで2024年6月8日、AP

 1944年、第二次世界大戦中のノルマンディー上陸作戦に参加した元米兵のハロルド・テレンスさん(100)が8日、仏北西部ノルマンディー地方で米女性、ジーン・スウェーリンさん(96)と結婚式を挙げた。仏ルモンド紙などが伝えた。

 テレンスさんは6日、仏政府がバイデン米大統領らを招き、同地方で開催した上陸作戦80周年記念式典に出席した。式典への招待を受けた際、スウェーリンさんを同伴し、現地で結婚式を挙げることを決めたという。

 テレンスさんは第二次大戦終了後、米国に帰還し、先妻のテルマさんと結婚。3人の子供を育てた。2018年にテルマさんが亡くなり、3年後の21年に友人の紹介で、夫に先立たれたスウェーリンさんと出会った。

結婚式会場に姿を見せたハロルド・テレンスさんとジーン・スウェーリンさん=仏北西部カランタンレマレで6月8日、AP

 青いスーツ姿のテレンスさんは、同地方カランタンレマレ市のホールで開かれた結婚式で息子や友人たちに囲まれ、ピンクのドレスを着たスウェーリンさんと指輪を交換した。テレンスさんはAFP通信に「彼女が私の生きがいです」と語った。

 上陸作戦では、ナチス・ドイツ占領下の仏ノルマンディー地方の海岸に米、英、カナダ軍を中心とする連合国軍約15万人が上陸し、対独勝利を決定づけた。激しい攻防でドイツ軍と合わせて計約10万人が戦死した。

 AP通信によると、テレンスさんは当時、米戦闘機の修理兵で、作戦開始から12日後の44年6月18日に上陸。その後、解放された元捕虜の米兵を英国に輸送する任務などについた。

 結婚式に立ち会ったカランタンレマレ市のジャンピエール・ロヌール市長は、「この地を挙式の場所に選んでもらい光栄。そしてフランスの解放に貢献してくれたことに感謝したい」と語った。【ブリュッセル宮川裕章】

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