ポニーのミントと触れ合い、誕生日をお祝いする来場者の子ども=仙台市泉区で2024年4月7日午前11時32分、土江洋範撮影

 仙台市泉区の「このはな牧場」で7日、雌のポニー「ミント」が32歳となり、来場者を交えた誕生会が開かれた。ミントは福島県南相馬市の牧場で生まれ育ったが、2011年の東京電力福島第1原発事故の影響で関東地方に避難。23年にこのはな牧場に移り、新天地で初めての誕生日を迎えた。

 誕生会では、来場者が「ハッピー・バースデー・トゥー・ユー」を合唱。ケーキの形に盛ったニンジンや果物をプレゼントした後、子どもたちが一緒に記念写真を撮影するなどした。牧場をよく訪れている仙台市青葉区の小学2年生、藤原灯花さん(7)は「かわいかった。えさを食べているところが好き」と話した。

 ミントは人間で言えば90歳以上になる老馬。南相馬市の牧場が原発事故で閉鎖に追い込まれ、東京都内の施設に避難した。茨城県の別の牧場に移ったが、23年8月にオープンしたこのはな牧場が迎え入れた。牧場長の原田晃さん(56)が、かつて南相馬で20年近く飼育を担当した縁から、「最期をみとりたい」と譲ってもらった。

 原田さんは「誕生会に多くの人が来てくれてうれしい。ミントにとって、子どもたちとの触れ合いが元気の源になる」と話した。【土江洋範】

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