「キャベツメンチかつ」を発表するカネ吉ヤマモトフーズの徳地清匡社長(右)と立命館大食マネジメント学部の学生たち=滋賀県庁

フードロス削減や地産地消の促進につなげようと、立命館大と、近江牛の販売やレストラン事業などを手掛けるカネ吉ヤマモトフーズ(カネ吉山本、滋賀県近江八幡市)が、県産の規格外キャベツを使用した新商品「キャベツメンチかつ」を開発した。20日から同社系列の4店舗やオンラインショップ、平和堂の一部店舗などで販売される。

新商品の「キャベツメンチかつ」。20日から販売される

同社が地域貢献につながる新商品の開発を大学側に持ち掛け、規格外野菜を使用した商品の共同開発が決まった。

開発に携わったのは立命館大食マネジメント学部の学生3人。実際に生産者のもとを訪れ、規格外野菜の現場を視察。想像を超える廃棄量に圧倒されたという。

使用する野菜には、ホウレンソウやコマツナなど複数の候補から、通年で収穫が見込め、一定の廃棄量があるキャベツを選んだ。キャベツは農家から同社が有償で買い取る。

完成した商品は「キャベツメンチかつ」(3個入り、410円)。野菜の甘みや食感を楽しんでもらうため、大きめに切ったキャベツが特徴で、子供でも食べやすいカレー風味に仕上げた。

同社で長く愛されるコロッケを冷凍食品にした「カネコロ」シリーズのラインアップに加わる。

学生の活動を見守った同社の徳地清匡社長は「長くものづくりをしていると固定概念がある。学生はフラットな視点で意見を出してくれるので、社員の知見も広がった」と共同開発の意義を強調。今後、月に5千パックほどの流通を見込んでいるといい、販路の開拓についても大学側と協力を進めるという。

開発メンバーの一人で立命館大4年の西場幹太さん(21)は「過去に食べたメンチかつの中で一番おいしい」と笑顔。「フードロスの問題について考えるきっかけになれば」と話している。

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