JA「ご当地カレー」西日本部門1位
産経新聞社が運営する交流サイト「きっかけ」内の「食と農のみらいコミュニティ」で実施された「JA『ご当地カレー』ナンバーワン決定戦」。西日本各地の特産物を使ったJAのご当地カレー候補の中から投票で〝一番食べたいカレー〟の1位に選ばれた兵庫県代表の「黒田庄和牛ぎゅぎゅっとカレー」は、ブランド牛をぜいたくに使い、地元の高校生と開発に取り組んだ一品で、地域の食のシンボルとして愛され続けている。
同カレーは、兵庫県の北播磨地域を管轄するJAみのりが販売。同県西脇市黒田庄町の地域ブランド牛「黒田庄和牛」を100%使い、角切りの肉に、ゴロッと甘みのある野菜が入る。黒田庄和牛同志会会長の三谷悟さんは「9割以上が『神戸ビーフ』と認定される品質の高さが自慢。頭数が少なく、なかなか市場に出回らないが、魅力を知ってほしい」と語る。
生活学科の生徒たちと開発スタート
カレーの開発が始まったのは約5年前。黒田庄和牛を使ったレトルトカレーはすでにあったが、銀色のパウチにシールが貼られただけのものだった。リニューアルをしたいと、JAみのり特産開発センターの播田慶人センター長が、地元の兵庫県立社高校に声をかけた。同校には食のスペシャリストを養成する生活科学科があり、その中から生徒6人が選ばれ、開発がスタートした。
当初はレシピだけもらえれば、と考えていた播田さんも、教諭や生徒の本気度に応える形でともに開発に奔走。生産現場を一緒に見学し、市場調査や試作、レトルト化、パッケージデザインから販売まで約1年にわたって寄り添った。
苦労したのは、具材と味のバランスだ。高校生当時、商品開発に携わった直井志帆さん(22)は「味や具材を考えるにあたり、地域のさまざまな産品や、いろいろなレシピ配合を試した」と振り返る。
予想以上の大ヒット、一番の売れ筋
指導した同校の真鍋典子教諭(63)も「味はもちろん、具材と値段のバランス、レトルト化する際に加圧するので、肉の処理の仕方など何度も調整を重ねた」という。こうして生まれたカレーは、予想以上の大ヒット。今もJAみのりの販売する加工品では一番の売れ筋だ。
直井さんは、今春から西脇市内の「西脇こども園」で管理栄養士として新たな一歩を踏み出した。播田さんと真鍋教諭は、6人の元生徒がカレー開発の経験をいかし、地域の食に貢献していることを誇らしげに語りながら声を弾ませた。
「今回の1位受賞は大きな励みになった。全国の方にも黒田庄和牛やカレーを食べていただければうれしい」
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。