大阪府茨木市の古刹(こさつ)、総持寺の伝統行事「山蔭流庖丁式(やまかげりゅうほうちょうしき)」が行われ、平安装束に身を包んだ料理人が華麗な包丁さばきを披露した。
料理の神さまと呼ばれた平安時代の貴族、藤原山蔭が同寺本尊の千手観音を彫った仏師に千日間、日々異なる料理でもてなしたという故事にちなんでいる。
式は境内の開山堂で行われ、山蔭流を継承する庖丁士の藤岡芳夫さん(53)が烏帽子(えぼし)に直垂(ひたたれ)という平安貴族の衣装を着て登場。雅楽が流れる中、右手に長さ約30センチの包丁、左手に真魚箸(まなばし)を持って巧みに操り、奉納するコイに一切触ることなくさばいた。見事に調理されると、観客から大きな拍手があがった。
藤岡さんは「無事に式を終えられてほっとした。感無量です」と語した。
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