「踊る阿呆(あほう)に見る阿呆」のフレーズで知られる真夏の風物詩、徳島市の阿波踊りが12日、屋外でも始まった。市中心部の演舞場では、独特の二拍子のリズム「ぞめき」が響き渡り、色とりどりの浴衣や法被をまとった踊り手が熱気あふれる舞を披露した。

 気象庁が8日に発表した初の「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を受け、経済団体や市などでつくる実行委員会は各演舞場に避難経路の地図を掲示するなどして、予定通りの日程での開催を決めた。

 今夏は、「前夜祭」として例年親しまれた11日のステージ演舞を「本祭」と位置づけ、期間を15日までの5日間に拡大。12日から屋外での演舞が始まった。コロナ禍以降、設けていなかった繁華街近くの紺屋町演舞場を5年ぶりに復活させるなどして、集客増も狙う。

 昨年の阿波踊りでは、台風接近中に当時の市長が中止を要請したにもかかわらず、実行委が開催し、批判が集まった。主に訪日外国人向けに初めて設けた1席20万円の「プレミアム桟敷席」については、開催後に建築基準法違反が表面化する問題もあった。

 これを受け、実行委は今夏、「安心・安全」を掲げて準備。悪天候が予想される場合など、市の要請があれば中止するとのガイドラインを作成し、プレミアム桟敷席は廃止した。(相江智也)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。