昨夏の徳島市の阿波踊りで設けられた1席20万円のプレミアム桟敷席を建築基準法に違反したまま使用したとして、徳島県警が、阿波踊りを主催した「阿波おどり未来へつなぐ実行委員会」の実行委員長代行を同法違反容疑で徳島地検に書類送検したことが分かった。

 捜査関係者によると、実行委員長代行は建築基準法に基づく「検査済み証」の交付を市から受けないまま、昨年8月12~14日の阿波踊りに桟敷席を使用した疑いがある。県警は、起訴の判断を検察に委ねる「相当処分」の意見を付けて書類送検したとみられる。

 プレミアム桟敷席を巡っては、開幕前日の昨年8月11日の市建築指導課による検査で構造上の不備が判明。観覧席に上り下りする階段の幅などが基準を満たしておらず、「検査済み証」が交付されなかったが、翌日から使用していた。

 翌月、実行委員長代行は違反を認めて謝罪。同月、市内の市民団体が使用を決定した氏名不詳の実行委員と、桟敷席を企画した東京のレジャー会社を県警に告発していた。レジャー会社について県警は、起訴を求めない「しかるべき処分」の意見を付けて書類送検したとみられる。(吉田博行)

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