コールマンが昨年開催した「マイファーストキャンプwithコールマン」の様子(同社提供)

屋外レジャーの代表格でもある「キャンプ」を巡り、新たな動きが出始めている。昨年5月に新型コロナウイルス禍での行動制限が緩和されて以降、キャンプ用品の〝特需〟は一服したものの、コロナ明けをきっかけに初めてキャンプに取り組み、または再開したいと考えている人も多いことが専門メディアの調査で判明。今月27日からの大型連休を控え、キャンプなどのアウトドア用品を扱うメーカーでは、新規参入者向けを対象にしたサービスを本格的に展開するなど、新規参入者の取り込みに向け工夫を凝らしている。

ビギナー増は「業界全体の課題」

キャンプ用品メディア「CAMP×GEAR」が約1000人の男女を対象にした調査結果によると、コロナ禍の令和2~4年は「ソロキャンプ」の流行などの影響もあり、「(キャンプ用品の)新セットを購入した」と回答した割合は33・3%に達した。しかし、コロナ明けの5年は7・6%と、コロナ禍の期間中と比べて大きく落ち込んだ。

コロナ禍によるキャンプ関連商品の特需が一服する一方、コロナ明けで初めてキャンプに取り組み、もしくは再開したいと回答した割合は56%に達したことが判明。キャンプに対する意欲が依然として根強いことも分かった。

アウトドア用品を扱う「コールマン」でマーケティング・デイレクターを務める根本昌幸さんは「キャンプの関連商品の売り上げは(コロナ禍に比べ)落ち込んだものの、キャンプに対する興味や関心は底堅さを感じる」とした上で「キャンプを初めてする人を増やすことが、業界全体としての課題」と指摘する。

体験型イベントも実施

アウトドア用品を扱うメーカーにとっては新規参入者の取り込みが課題となる中、同社ではオンライン上でキャンプデビューをサポートするサービス「キャンプはじめる部」を5月からスタートさせる(申し込み期間はすでに終了)。

今回のサービスの特典として、「ファーストキャンプのしおり」が届くほか、困った時にコールマンのスタッフにすぐ連絡できるホットラインも開設する。

同社ではそのほかにも、テントの組み立てなどに不安を抱える初心者のファミリーを対象とした1泊2日の体験型イベント「マイファーストキャンプwithコールマン」を5~10月に計5回にわたって実施するという。

根本さんは「キャンプの新規参入の層をいかに取り込み、リピーターになってもらえるかが課題。オンラインやリアルなイベントを通じて、キャンプが持つ魅力を発信していくことができれば」と話している。(浅野英介)

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