9月16日、国際的な研究者のチームは医学誌ランセットで発表した報告で、抗菌薬(抗生物質)が効かない薬剤耐性菌による死者数が今後25年間に世界で3900万人を超え、さらに1億6900万人の関連死が出ると推計した。写真は顕微鏡を通して見た結核検査で陽性反応が出たサンプル。アルゼンチンのブエノスアイレスで2019年3月撮影(2024 ロイター/Magali Druscovich)
国際的な研究者のチームは医学誌ランセットで発表した報告で、抗菌薬(抗生物質)が効かない薬剤耐性菌による死者数が今後25年間に世界で3900万人を超え、さらに1億6900万人の関連死が出ると推計した。
是正措置が取られない場合には薬剤耐性菌に直接起因する死者数が2050年までに年間191万人、関連死は年間822万人にそれぞれ達すると推計。これらの年間死亡者数は、22年の薬剤耐性菌に直接起因する死者数より68%弱、関連死者数より75%それぞれ増えると指摘した。
薬剤耐性菌に関わる死者数の増加は医療システムと国家経済に負担をかけ、30年までに年間国内総生産(GDP)を1兆―3兆4000億ドル程度押し下げることになると予測した。
今回の推計は、今月26日の国連の年次ハイレベル会合に先立って発表された。
薬剤耐性菌に関する問題の英特使で、国連の機関協力調整グループのメンバーであるサリー・デイビス氏は「この画期的な研究は、世界が抗生物質による緊急事態に直面し、世界中の家族と地域社会に壊滅的な人的被害をもたらしていることを裏付けている」とのコメントを出した。デイビス氏は今回の研究には関与していない。
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