ナタリヤさん(左から2人目)らが10月6日にオープンするキッチンウクライナ=群馬県桐生市仲町で2024年9月26日、遠山和彦撮影
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 群馬県桐生市仲町に6日、料理店「キッチンウクライナ」が開店する。シェフを務めるのは、ロシアによるウクライナ侵攻で避難してきたクービック・ナタリヤさん(69)。「お世話になっている日本の人に、得意の料理で感謝を伝えたい」と話す。【遠山和彦】

 ナタリヤさんが来日したのは2022年3月。侵攻前から桐生市に住む娘のオジブコ・スウィートラーナさん(48)=愛称・スウィータさん=を頼った。

代表的なウクライナ料理のイメージ。ボルシチ(手前右)、ワレニキ(奥)、カツレツとピロシキ=ウクライナの首都キーウで2009年1月、大前仁撮影
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 もともとはウクライナ西部・テルノピリでレストランのシェフをしていたナタリヤさん。桐生大(みどり市笠懸町)で料理教室を開き、学生に野菜を煮込んだボルシチの作り方を教えたこともあった。スウィータさんは「母は料理をしている時、表情がいきいきとしています」と話す。

 レストランの開店は夢だった。1年前から準備にかかり、内装はスウィータさん自ら壁にニスを塗った。店内の正面には避難する際に持ち出したマリア像を置き、テーブルにウクライナ国旗を描いた。

 メニューに並ぶのは、ボルシチやワレニキ(水ギョーザに似た食べ物)、ゴルブツイ(鶏肉と米のロールキャベツ)といった伝統料理。ワインや手作りのアイスクリーム、ケーキも提供する。

 母娘の他、ウクライナでの隣人もスタッフに加わった。5月に桐生市に避難してきたモセイチュク・スウィートラーナさん(58)と娘のカテリーナさん(29)だ。

 「ぜひ食べに来てください」とナタリヤさんは言う。問い合わせはキッチンウクライナ(0277・43・5115)。

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