イラスト 江口修平

誰もが知る流行語なき時代の新語を採掘し、世の中を知る「令和なコトバ」。ライターの福光恵さんが、注目ワードのいわれや意外な裏側などを紹介する連載コラムです。いよいよゴールデンウイーク。年度末からバタバタ働いてきた皆さんもホッと一息、気の早い人は連休明けの仕事が頭をよぎっているかもしません。ビジネスは新語の宝庫。今年取り上げた言葉をおさらいして次の仕事に備えましょう。

エリサラ 羨望と自負をちょっとからかう

今風に言えば「ビジネスエリート」。そんな言葉がまだなかった昭和の頃、「仕事ができる」「稼げる」会社員を指す言葉がありました。それを4文字に略した言葉が今、ちょっと複雑なニュアンスを伴って使われています。単純な羨望ではなく、若干のからかいをまぶした感じがワークライフバランス時代ならでは。そして今昔の違いは稼いだお金の使い道に表れているようです……何にお金を使っているの?

傾聴地蔵 うなずくだけじゃなくて動いてよ

部下の意見にがんとして耳を貸さない石頭の上司、いましたよね。ハラスメントにコンプライアンス全盛の今では絶滅危惧種です。代わって増えているのがやたら物わかりよく、こちらの話に耳を傾けてくれるタイプ。一見理想の上司のようですが、でもただ黙ってうなずくだけで、自ら問題の打開に力を尽くすことはしてくれません。そう、動かざること地蔵のごとし……たとえばこんな上司

マルハラ 新たな文法、打ったらアウト?

SNSは私たちの暮らしや意識、常識をさまざまに揺さぶり続けています。多くの世代が交錯する職場などで今話題なのが「マル」。そう、文末に付ける「。」です。Z世代を中心にアレは圧を感じる、怖い、と反応する人が増えているそうです。もはや「付けたらハラスメント」と断罪する風潮に至り、ビジネスの世界にも当惑が広がっているようです。……あなたなら打ちますか?

メール1往復主義 果たしてタイパは万能か

時間対効果、いわゆる「タイパ」至上のせっかちな世の中、メールのお作法も知らず知らず変わっています。①「お願いします」②「残念ながら都合が」③「ではまた次の機会に」――という定番のやり取りのうち③を省く新マナー。なんとなく素っ気なく感じるし「次はないな」と思ってしまうとの声も聞こえます。「長い目で見れば省略しない方が」という考え方もありますが……名付け親に聞いてみた

睡眠休養感 働き盛りが知っておきたい指標

健康で活気にあふれた仕事生活を営むために睡眠が果たす役割の大きさは言うまでもありませんが、これまではもっぱら睡眠時間が論じられてました。そこに登場した新しいものさしが「睡眠休養感」。「どれだけ睡眠で休養が得られたか」という起床時の「感覚」を表す言葉です。そしてこの新指標、働く世代と仕事を引退した高齢世代では測り方に大きな違いがあるそうです。……具体的にどう違うの?

次回は日経電子版オリジナル「大型連休スペシャル」を公開予定! ご期待ください。「令和なコトバ」のバックナンバーはこちら

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